
出典:www.astroarts.co.jp
2025年9月8日未明(9月7日深夜〜日付変更後)、約3年ぶりに日本全国で皆既月食が観測できます。
この記事では、iPhone/Android別の具体設定、段階別の露出目安、失敗しないコツ、必要機材、撮影スポットの考え方まで徹底解説します。
時刻・方角などの基礎データは国立天文台等の一次情報を確認済みです。
(国立天文台タイムアンドデート)
それでは早速いってみましょう!
目次
2025年9月8日 皆既月食の基本情報(全国共通)
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部分食開始:1:27
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皆既食開始:2:30
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食の最大:3:12
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皆既食終了:3:53
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部分食終了:4:57
※食の進行時刻は日本全国どこでも同じです。
全過程は約1時間23分の皆既+前後の部分食で、未明〜明け方にかけて進行します。
見える方向はおおむね南西〜西です。(国立天文台ニコンイメージングジャパン)
次に日本で皆既月食が見られるのは2026年3月3日
(その後は2029年など)。
今回のチャンスをぜひ活かしてください。(国立天文台)
スマホ撮影:最初に押さえる4つの鉄則(共通)
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フラッシュは必ずオフ
空気中の塵や水蒸気に光が反射して白くかぶり、月が消えます(皆既月食撮影の基本事項)。アストロアーツ -
AE/AFロックで露出固定
月を長押しタップしてピント&露出を固定、画面の太陽マーク/露出スライダーで少し暗めに。白飛びを防ぎます。 -
三脚+セルフタイマー/リモート
望遠域ではわずかなブレが致命傷。三脚固定し、2〜10秒タイマーやBluetoothリモコンを併用。 -
段階ごとに設定をこまめに更新
明るさが劇的に変化します。5〜10分おきに露出を見直しましょう。
iPhone(iOS)設定ガイド
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標準カメラアプリ
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フラッシュ:オフ
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AE/AFロック(月を長押し)
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露出補正:太陽マークを下へスワイプして暗めに
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ズーム:光学ズーム優先(デジタルは画質劣化)
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ナイトモード
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iPhone 11以降は自動起動。皆既中の暗い月には効きますが、明るくなりすぎて白飛びすることも。
暗部が潰れない範囲で露出を手動微調整しましょう。
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おすすめ撮影アプリ(iOS)
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ProCam:RAW・シャッタースピード・ISO・長秒露光に対応
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MuseCam:マニュアル調整が充実(※価格は変動するためストアで要確認)
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補足:ナイトモード任せより**手動露出(マニュアル寄り)**のほうが月の階調が安定しやすいケースが多いです(特に部分食)。アストロアーツ
Android設定ガイド(Pixel/Galaxy/Xperia ほか)
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基本:プロ(マニュアル)モード推奨。自動制御で露出が暴れにくい。
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推奨の初期値(目安)
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部分食:ISO 100〜400/SS 1/125〜1/250秒
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皆既食:ISO 800〜3200/SS 1/4〜2秒(三脚必須)
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個別のポイント
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Pixel:夜景モード or プロ系アプリで露出固定。皆既中はISOを上げてSSを延ばす。
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Galaxy:プロモード+望遠カメラ活用。**マニュアルフォーカスを∞(無限遠)**に。露出固定で階調を確保。
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Xperia:プロモードでWB固定(太陽光目安 5000〜5500K)、MF/∞に。
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おすすめ撮影アプリ(Android)
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Camera FV-5 Lite(※正:FV-5。元記事の「VF-5」は誤記)
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Open Camera(RAW・タイマー・手ぶれ軽減機能が有用)
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皆既月食の「段階別」設定(スマホ目安)
皆既中は通常の満月より著しく暗くなります。ISO・SSを大きく変えて対応しましょう。(アストロアーツ)
部分食(1:27–2:30、3:53–4:57)
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ISO:100–400
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シャッタースピード:1/125–1/250秒
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露出補正:−1〜−2
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備考:明るい部分の白飛びに注意。月面模様のコントラスト重視。
皆既食(2:30–3:53)
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ISO:800–3200
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シャッタースピード:1/4〜2秒
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露出補正:**0〜+**寄り
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三脚:必須(セルフタイマー/リモコン推奨)
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備考:赤銅色の色味を優先し、暗部の階調を残す。
撮影失敗を防ぐ5つのポイント(実践版)
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ストロボ厳禁:白かぶりの元。オフ固定。
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三脚は“重め”を:高さ120cm以上、重さ1kg以上だと望遠時も安定。
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露出をこまめに:とくに皆既の入り・明けで一気に変化。
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バッテリー対策:モバイルバッテリー/機内モード/通知オフ/画面輝度を抑える。
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練習あるのみ:満月で事前テスト→設定と操作を手に馴染ませる。
機材チェックリスト
必須
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スマートフォン(満充電)
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三脚+スマホホルダー
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モバイルバッテリー
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防寒着(深夜は冷えます)
あると便利
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望遠レンズアタッチメント(画質を保ったまま月を拡大)
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レンズクリーナー/クロス(結露対策)
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赤色ライト(暗所での目慣れ維持)
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レジャーシート or 折りたたみ椅子
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温かい飲み物
撮影場所の選び方(都市例つき)
条件
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南西〜西の視界が開けている
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光害が少なく、安全に長時間いられる
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駐車場・トイレなど環境が整うと安心
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終盤は高度が低くなるため、地平線近くが見通せる場所が有利(東京では開始〜最大でおよそ40°→20°台→終了時は10°前後まで低下)。ニコンイメージングジャパン
東京周辺
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お台場海浜公園/多摩川河川敷/高尾山 など
大阪周辺
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万博記念公園/淀川河川敷/生駒山 など
事前に現地で障害物(建物・樹木)の有無と方角をチェックしておくと安心です。
よくある失敗と対策
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月が白く飛ぶ
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原因:露出過多
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対策:露出**−2程度、ISOを下げる、AE/AFロックで安定**させる
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月が小さすぎる
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原因:ズーム不足
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対策:光学ズーム最大、必要なら望遠レンズアタッチメント
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ブレる
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原因:手ブレ/三脚の不安定
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対策:セルフタイマー10秒、脚の開脚・加重で安定、リモコン併用
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皆既中が真っ暗
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原因:露出不足
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対策:ISO 1600–3200、SS 1秒前後まで伸ばす、微妙に**+補正**
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撮影後の仕上げ(スマホ内蔵編集&アプリ)
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明るさ:皆既中の暗部を少し持ち上げる
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コントラスト/トーンカーブ:輪郭と陰影を強調
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彩度:赤銅色が不自然にならない範囲で控えめに
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シャープ:月面模様を軽く強調(やりすぎ注意)
編集アプリ
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Lightroom Mobile(無料/有料版あり)
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Snapseed(無料)
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VSCO(一部有料)
参考:撮影時刻と見え方の一次情報
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国立天文台(NAOJ)「皆既月食(2025年9月)」:時刻は部分1:27/皆既2:30〜3:53/部分4:57、日本全国で同時刻。(国立天文台)
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timeanddate.com(日本/東京ローカル):上記と一致するローカルタイムを確認。(タイムアンドデート)
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Nikon 特集「2025年9月8日 皆既月食」:南西〜西方向、進行につれて高度が低下。ロケハン推奨。(ニコンイメージングジャパン)
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NAOJ「月食一覧」:次回は2026年3月3日に皆既月食が日本で見える。(国立天文台)
まとめ
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**9月8日未明(7日深夜〜)**に全国で見える皆既月食。
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AE/AFロック・露出固定・三脚が成功の三種の神器。
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段階別の設定(部分:ISO100–400/1/125–1/250、皆既:ISO800–3200/1/4–2秒)で柔軟に追従。
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望遠アタッチメントやリモコンで“失敗の芽”を事前に摘む。
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編集で赤銅色を上品に整えて完成。
約1時間23分続く赤い月のドラマを、あなたのスマホで――。どうか最高の一枚を!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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